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2015年8月21日更新 | 一般財団法人 日本税務協会

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(1)

租税特別措置法等

(登録免許税関係)

の改正

はじめに

 本稿では、平成27年度税制改正に盛り込まれた 改正事項のうち、登録免許税関係の改正の概要に ついて説明します。

 これらの改正事項が盛り込まれた所得税法等の 一部を改正する法律は、去る 3 月31日に可決・成 立し、同日に平成27年法律第 9 号として公布され ています。また、関係政省令告示もそれぞれ公 布・制定されています。

・ 租税特別措置法施行令等の一部を改正する政 令(平成27年政令第148号)

・ 登録免許税法施行規則の一部を改正する省令

(平成27年財務省令第26号)

・ 租税特別措置法施行規則等の一部を改正する 省令(平成27年財務省令第30号)

・ 登録免許税法別表第 2 独立行政法人の項の規 定に基づき、自己のために受ける登記等につき 登録免許税を課さない独立行政法人を指定する 件の一部を改正する件(平成27年財務省告示第 106号)

・ 登録免許税法別表第 3 の19の 2 の項の規定に 基づき、自己のために受ける登記等につき登録 免許税を課さない独立行政法人等を指定する件 の一部を改正する件(平成27年財務省告示第 107号)

一 公社管理道路に係る公共施設等運営権の設定登録の税率の軽

減措置の創設

1  制度創設の背景

 「PPP/PFIの抜本改革に向けたアクションプラ ン」(平成25年 6 月 6 日PFI推進会議決定)にお いて、公共施設等運営権制度を活用したPFI事業 については、重点的に推進することとされており、 更に、「PPP/PFIの抜本改革に向けたアクション

プランに係る集中強化期間の取組方針について」 (平成26年 6 月16日PFI推進会議決定)において、

コンセッション方式の事業について、向こう 3 年 間(平成26年度~平成28年度)を集中強化期間と し、道路を含む重点分野に関し、事業規模目標を 前倒しするなど、政府一体となって取り組むこと とされています。

目    次 一 公社管理道路に係る公共施設等運営権

の設定登録の税率の軽減措置の創設 606 二 認定民間都市再生事業計画に基づき建

築物を建築した場合の所有権の保存登記 の税率の軽減措置の改正 608 三 特定目的会社が資産流動化計画に基づ

き特定不動産を取得した場合等の所有権 の移転登記の税率の軽減措置の改正 609

四 特例事業者が不動産特定共同事業契約 により不動産を取得した場合の所有権の 移転登記等の税率の軽減措置の改正 610 五 租税特別措置の適用期限の延長 611 六 租税特別措置の廃止(会社分割に伴う

不動産の所有権の移転登記等の税率の軽 減) 612 七 独立行政法人日本貿易保険の特殊会社

(2)

 有料道路におけるコンセッション方式の活用に ついては、これまでの道路整備特別措置法のもと では実現できませんが、愛知県からの構造改革特 区提案により、構造改革特区制度において、民間 事業者による公社管理道路の運営を可能とするた めに必要な特例を設けることとされ、「国家戦略 特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正 する法律案」が今国会(第189回常会)に提出さ れることとなりました(平成27年 6 月26日現在、 国会において審議中)。

 このような状況や、また、有料道路制度におい ては、空港や上下水道といった他のインフラと異 なり、民間事業者はあらかじめ計画的な利潤を見 込んだ料金の設定ができないというその性質の特 殊性を踏まえ、地方道路公社の有料道路事業に係 る公共施設等運営権の設定登録に対する登録免許 税の軽減措置が創設されることとされました。

2  制度の内容

 公社管理道路運営権者が、国家戦略特別区域法 及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律附 則第 1 条第 2 号に定める日から平成29年 3 月31日 までの間に認定公社管理道路運営事業に係る公共 施設等運営権の設定を受ける場合には、その公共 施設等運営権の設定の登録に係る登録免許税の税 率は、その設定後 1 年以内に登録を受けるものに 限り、1,000分の0.5(本則1,000分の 1 )に軽減さ れます(措法82②)。

 なお、この特例の適用を受けようとする者は、 その登録の申請書に、その登録がこの特例の要件 に該当するものであることについての地方道路公 社の証明書で、その登録に係る公共施設等運営権 の設定を受けた者が公社管理道路運営権者である こと及びその公社管理道路運営権者がその公共施 設等運営権の設定を受けた日の記載があるものを 添付しなければなりません(措規31の 2 ②)。

(参考) 構造改革特別区域法(平成14年法律第189 号)(抄)

(道路整備特別措置法及び民間資金等の活用 による公共施設等の整備等の促進に関する

法律の特例)

(3)

11条第 1 項及び第15条第 1 項の規定にかか わらず、当該公社管理道路運営権を有する 者(以下この条において「公社管理道路運 営権者」という。)に当該認定公社管理道路 運営事業に係る利用料金を自らの収入とし て収受させるものとする。

3  適用関係

 上記2の改正は、国家戦略特別区域法及び構造 改革特別区域法の一部を改正する法律附則第 1 条 第 2 号に定める日以後に受ける登録に係る登録免 許税について適用されます(改正法附則 1 十六)。

二 認定民間都市再生事業計画に基づき建築物を建築した場合の

所有権の保存登記の税率の軽減措置の改正

1  改正前の制度の概要

⑴ 認定民間都市再生事業計画に係る特例(都市 再生)

 都市再生特別措置法第23条に規定する認定事 業者(以下「認定事業者」といいます。)が、 平成27年 3 月31日までに国土交通大臣の認定 (国家戦略特別区域法の規定によるみなし認定 を含みます。)を受けた認定民間都市再生事業 計画(認定の申請が工事着手前に行われたもの に限ります。において同じです。)に基づき 特定民間都市再生事業の用に供するため、その 認定の日から 3 年以内に建築物を建築した場合 における所有権の保存登記については、建築後 1 年以内に登記を受けるものに限り、登録免許 税の税率が1,000分の 3 (本則1,000分の 4 )に 軽減されていました(旧措法83①)。

⑵ 特定都市再生緊急整備地域内における認定民 間都市再生事業計画に係る特例(特定都市再 生)

 認定事業者が、認定民間都市再生事業計画 (都市再生特別措置法の規定により公表された 整備計画を含みます。)に基づき特定都市再生 緊急整備地域内に特定民間都市再生事業の用に 供するため、その認定(同法第19条の10第 2 項 又は国家戦略特別区域法の規定によるみなし認 定を含みます。)の日から 3 年以内(その事業 の施行される土地の区域内に地上階数30以上又 は延べ床面積15万㎡以上の耐火建築物が建築さ

れる場合には、 5 年以内)に建築物を建築した 場合における所有権の保存登記については、登 録免許税の税率が1,000分の 2 (本則1,000分の

4 )に軽減されていました(旧措法83②)。

2  改正の内容

 この特例は、都市再生特別措置法に基づく都市 再生緊急整備地域において、国土交通大臣の認定 を受けた民間都市再生事業計画に係る建築物を建 築する際の登録免許税を軽減することにより、民 間活力を利用した都市再生を推進し、優良なスト ック形成に一定の役割を果たしてきたところです。 今後においても、住環境や市街地の環境等生活の 場としての都市の環境全般を向上させることや、 東日本大震災の教訓を踏まえ大規模地震発生時に 都市の滞在者の安全を確保するため、耐震性に優 れた都市開発事業を推進すること等の都市再生の 取り組みが引き続き必要となっています。  また、都市の国際競争力の強化は、都市を我が 国経済の牽引役としていく上で重要な課題です。 人口減少による我が国市場の縮小が懸念される中 で、国際競争力を強化するためには、東京オリン ピック・パラリンピックで世界から注目が集まる ことを契機に、東京をはじめとする大都市に外国 企業・高度外国人材をより多く呼び込むことがで きるよう、ビジネス・研究開発等を国内企業と連 携して行える国際的な活動の拠点の形成を推進し ていく必要があります。

(4)

て厳しい状況が続いています。

 このような状況を踏まえ、引き続き、わが国の 活力の源泉である都市について、都市再生を図り、 都市の魅力を高めていくことを税制面から支援す る観点から、今般の改正においては、この特例の 適用期限を延長する等の措置が講じられました。

⑴ 都市再生特例の改正

 適用期限が平成29年 3 月31日まで 2 年延長さ れるとともに、制度創設(平成15年度)以来、 相当の期間を経過していることも踏まえ、軽減 税率が1,000分の3.5に引き上げられました(措 法83①)。

⑵ 特定都市再生特例の改正

 適用期限が平成29年 3 月31日まで 2 年延長さ れました(措法83②)。

3  適用関係

 上記2の改正は、平成27年 4 月 1 日以後に国土 交通大臣の認定を受けて建築物を建築する場合に おける所有権の保存登記に係る登録免許税につい て適用され、同日前に国土交通大臣の認定を受け て建築物を建築する場合における所有権の保存登 記に係る登録免許税については、従前どおりとさ れています(改正法附則 1 、98④)。

三 特定目的会社が資産流動化計画に基づき特定不動産を取得し

た場合等の所有権の移転登記の税率の軽減措置の改正

1  改正前の制度の概要

⑴ 一定の特定目的会社が、特定目的会社による 特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正 する法律の施行の日(平成12年11月30日)から 平成27年 3 月31日までの間に、資産流動化計画 に基づき倉庫及びその敷地以外の不動産の取得 をした場合には、その不動産の所有権の移転登 記に係る登録免許税の税率は、その取得後 1 年 以内に登記を受けるものに限り、1,000分の13 (本則1,000分の20)に軽減されていました(旧

措法83の 2 ①)。

⑵ 信託会社等が、一定の投資信託を引き受けた ことにより、平成13年 4 月 1 日から平成27年 3 月31日までの間に、投資信託約款に従い倉庫及 びその敷地以外の特定不動産の取得をした場合 には、その不動産の所有権の移転登記に係る登 録免許税の税率は、その取得後 1 年以内に登記 を受けるものに限り、1,000分の13(本則1,000 分の20)に軽減されていました(旧措法83の 2 ②)。

⑶ 一定の投資法人(Jリート)が、平成13年 4 月 1 日から平成27年 3 月31日までの間に、規約

に従い倉庫及びその敷地以外の不動産の取得を した場合には、その不動産の所有権の移転登記 に係る登録免許税の税率は、その取得後 1 年以 内に登記を受けるものに限り、1,000分の13(本 則1,000分の20)に軽減されていました(旧措 法83の 2 ③)。

2  改正の内容

 この特例は、平成13年度改正において、当時の 不動産市場が「買い手の不在」に直面している状 況等を踏まえ、不稼動化・固定化している資産の 稼動化を促進する「不動産の証券化」に取り組む 施策・制度(SPC・不動産投信といった不動産に 係る集団投資スキーム)の導入当初の制度立上げ を税制面で支援する観点から、従来措置されてい た特定目的会社が資産流動化計画に基づき特定不 動産を取得した場合の所有権の移転登記等の税率 の軽減措置を拡充して措置されたものです。その 後、累次の改正を経て、制度創設から相当期間経 過し、軽減税率についても1,000分の13(平成15 年:1,000分の 6 )にまで引き上げられている状 況となっています。

(5)

長期的な下落傾向が続いている状況(資産デフ レ)からの確実な脱却が課題となっているところ です。このような中、約1,600兆円の個人金融資 産を不動産市場へ振り向け、不動産市場に強力な 買い手を創出する不動産証券化は、不動産の有効 利用、優良な都市ストック形成、地域経済の活性 化のための有効な手法であると考えられています。 また、「経済財政運営と改革の基本方針2014」(平 成26年 6 月24日閣議決定)においても、Jリート 等の不動産証券化手法を活用して市街地整備を進 めることとされています。

 今般の改正においては、不動産の証券化の推進、 不動産取引の活性化により資産デフレからの確実 な脱却といった政策の重要性に鑑み、この特例に ついては、以下のとおり、適用期限を延長する等 の措置が講じられました。

⑴ 適用期限の延長

 この特例の適用期限が平成29年 3 月31日まで 2 年延長されました(措法83の 2 ①~③)。

⑵ 適用対象となる不動産の追加

 倉庫及びその敷地は、改正前のこの特例の適 用対象ではありませんでした。これは、平成22 年度改正における租税特別措置の見直しの一環 で、当時は、地域経済の活性化や都市における 優良なストックの形成に資する程度が低いと考 えられたため、適用対象から除外されたことに よるものです。しかし、近年では、インターネ ット通販の発展等による小口、多頻度の輸送ニ ーズの高まり等を背景に5,000㎡を超える規模 の大きな倉庫の着工が全国的に増加しています。 こうした状況を踏まえ、この特例の対象となる 不動産に倉庫及びその敷地が再び追加されまし た(措法83の 2 ①~③)。

3  適用関係

 上記2の改正は、平成27年 4 月 1 日以後に特定 目的会社等が取得する不動産の所有権の移転登記 に係る登録免許税について適用され、同日前に特 定目的会社等が取得した不動産の所有権の移転登 記については従前どおりとされています(改正法 附則98⑤~⑦)。

四 特例事業者が不動産特定共同事業契約により不動産を取得し

た場合の所有権の移転登記等の税率の軽減措置の改正

1  改正前の制度の概要

⑴ 特例事業者が、不動産特定共同事業法に規定 する不動産特定共同事業契約に係る不動産取引 の目的となる不動産で次に掲げるものの取得を した場合には、その不動産の所有権の移転登記 に対する登録免許税の税率は、不動産特定共同 事業法の一部を改正する法律(平成25年法律第 56号)の施行の日(平成25年12月20日)から平 成27年 3 月31日までの間に登記を受けるものに ついては、1,000分の13(本則1,000分の20)に 軽減されていました(旧措法83の 3 ①)。 ① 建替えが必要な建築物の建替え又は開発

(更地を取得し当該更地に建築物を建築する

ことをいいます。)により特定建築物の新築 又は改築(以下「新築等」といいます。)を する場合のその特定建築物の敷地の用に供す ることとされている土地

② ①の土地を敷地とする①の建替えが必要な 建築物

③ 特定建築物とするために増築、修繕又は模 様替(以下「増築等」といいます。)をする ことが必要な建築物

(6)

間内に登記を受けるものについては、1,000分 の 3 (本則1,000分の 4 )に軽減されていまし た(旧措法83の 3 ②)。

2  改正の内容

 この特例は、不動産証券化の推進、建築物の耐 震化や民間施設の整備など都市機能の更新への民 間資金の導入の促進及び不動産取引の活性化によ る資産デフレの防止を図る観点から、特例事業者 が不動産を取得しやすい環境を整備する一環とし て、平成25年度改正において創設されたものです (平成25年12月20日施行)。

 この特例は、制度の施行からの日が浅い( 1 年 程度)ことや事業の許認可の要件を満たすために は、事業者の組織体制整備だけでも数か月単位で 時間がかかるといった事情もあり、まだ適用実績 はありません。しかし、こうした中でも今後この 特例の適用が見込まれる案件もあることから、今 般の改正においては、以下のとおり、この特例の 適用期限を延長する等の措置が講じられました。

⑴ 適用期限の延長

 この特例の適用期限が平成29年 3 月31日まで

2 年延長されました(措法83の 3 ①②)。

⑵ 適用対象となる不動産の追加

 改正前のこの特例は、前述の「三 特定目的 会社が資産流動化計画に基づき特定不動産を取 得した場合等の所有権の移転登記の税率の軽減 措置の改正」と同様に、適用対象となる不動産 から倉庫及びその敷地が除かれていました。今 般の改正においても、前述2 ⑵と同様に、 この特例の対象となる不動産に倉庫及びその敷 地が追加されました(措令43の 3 ③一)。

3  適用関係

 上記2の改正は、平成27年 4 月 1 日以後に特例 事業者が不動産の取得又は建築物の新築等若しく は増築等をする場合における所有権の移転登記又 は保存登記に係る登録免許税について適用され、 同日前に特例事業者が不動産の取得又は建築物の 新築等若しくは増築等をした場合における所有権 の移転登記又は保存登記に係る登録免許税につい ては、従前どおりとされています(改正法附則 1 、 改正措令附則47)。

五 租税特別措置の適用期限の延長

1  住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権

の設定登記の税率の軽減措置の改正

⑴ 改正前の制度の概要

 個人が、平成27年 3 月31日までに住宅用家屋 の新築(増築後の家屋が住宅用家屋に該当する 場合の増築を含みます。以下同じです。)をし、 又は建築後使用されたことのない住宅用家屋若 しくは既存住宅の取得をし、その者の居住の用 に供した場合において、これらの住宅用家屋の 新築又は取得(以下「住宅用家屋の新築等」と いいます。)をするための資金の貸付け(貸付 けに係る債務の保証を含みます。)が行われる とき又は対価の支払が賦払の方法により行われ

るときは、その貸付け又はその賦払金に係る債 権で次に掲げるものを担保するため、それぞれ 次に定める者が受けるこれらの住宅用家屋を目 的とする抵当権の設定の登記で、住宅用家屋の 新築等後 1 年以内に登記を受けるものに対する 登録免許税については、その税率が1,000分の 1 (本則1,000分の 4 )に軽減されていました (旧措法75)。

① 住宅用家屋の新築等をするための資金の貸 付けに係る債権 その債権に係る貸付けを行 った者

(7)

③ 住宅用家屋の新築等をするための対価の支 払が賦払の方法により行われる場合における その賦払金に係る債権 その賦払の方法によ りその対価の支払を受けた者

④ 住宅用家屋の新築等をするための資金の貸 付けに係る債権で独立行政法人住宅金融支援 機構が独立行政法人住宅金融支援機構法第13 条第 1 項第 1 号の業務により金融機関から譲 り受けた貸付債権 独立行政法人住宅金融支 援機構

⑵ 改正の内容 ① 適用期限の延長

 この特例の適用期限が、平成29年 3 月31日 まで 2 年延長されました。

② 添付書類の明確化

 この特例は、住宅用家屋の新築又は取得を するための資金の借入れに係る抵当権の設定 登記に対する登録免許税を軽減するものです が、その住宅用家屋の取得原因は特に限定さ れていません。一方、改正前の租税特別措置 法施行規則第27条では抵当権の設定登記の特 例措置を受けるための登記の申請書に添付す る証明書として、租税特別措置法施行規則第 25条の 2 第 1 項に規定する証明書(住宅用家 屋の所有権の移転登記の税率の軽減を受ける ための証明書)等が定められていましたが、 これらの証明書は「家屋を売買又は競落によ

り取得したこと」を記載することとされてい るため、この特例の適用要件と証明書の記載 事項との関係が明らかではありませんでした。  このため、抵当権の設定登記の特例措置を 受けるための証明書に取得原因を記載するこ とは不要であることを明確化する観点から、 今般、租税特別措置法施行規則第27条が改正 され、「登記の申請書に、当該登記に係る家 屋についての市町村長又は特別区の区長の租 税特別措置法施行令第41条又は第42条第 1 項 の規定による証明書で、当該家屋が租税特別 措置法第75条に規定する新築又は取得をされ たものであること及び当該新築又は取得の年 月日の記載があるものを添付」することとさ れました。

2  その他の特例の適用期限の延長

 以下に掲げる租税特別措置の適用期限が、平成 29年 3 月31日まで 2 年延長されました。

⑴ 土地の売買による所有権の移転登記等の税率 の軽減(措法72)

⑵ 住宅用家屋の所有権の保存登記又は移転登記 の税率の軽減(措法72の 2 、73)

⑶ 利用権設定等促進事業により農用地等を取得 した場合の所有権の移転登記の税率の軽減(措 法77)

⑷ 信用保証協会等が受ける抵当権の設定登記等 の税率の軽減(措法78)

六 租税特別措置の廃止(会社分割に伴う不動産の所有権の移転

登記等の税率の軽減)

1  廃止前の制度の概要

⑴ 株式会社が、平成18年 4 月 1 日から平成27年 3 月31日までの間に新設分割又は吸収分割によ り不動産に関する権利を取得し、その不動産に 関する権利の移転について登記を受ける場合に は、その登記に係る登録免許税の税率は、その 権利を取得した日以後 3 年以内に登記を受ける

ものに限り、次のとおり軽減されていました (旧措法81①)。

① 所有権の移転 イ又はロに掲げる場合の区 分に応じイ又はロに定める割合

イ 平成26年 3 月31日までに新設分割又は吸 収分割を行った場合 1,000分の15

(8)

場合 1,000分の18

② 地上権、永小作権、賃借権又は採石権の移 転 イ又はロに掲げる場合の区分に応じイ又 はロに定める割合

イ 上記①イに掲げる場合 1,000分の7.5 ロ 上記①ロに掲げる場合 1,000分の 9 ⑵ 株式会社が、平成18年 4 月 1 日から平成27年

3 月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行 った場合において、次に掲げる仮登記を受ける ときは、その仮登記に係る登録免許税の税率は、 その新設分割又は吸収分割を行った日から 3 年 以内に登記を受けるものに限り、次のとおり軽 減されていました(旧措法81②)。

① 新設分割又は吸収分割による不動産の所有 権の移転の仮登記又は移転の請求権の保全の ための仮登記 イ又はロに掲げる場合の区分 に応じイ又はロに定める割合

イ 上記⑴①イに掲げる場合 1,000分の7.5 ロ 上記⑴①ロに掲げる場合 1,000分の 9 ② 新設分割又は吸収分割による不動産の地上

権、永小作権、賃借権若しくは採石権の移転 の仮登記又は移転の請求権の保全のための仮 登記 イ又はロに掲げる場合の区分に応じイ 又はロに定める割合

イ 上記⑴①イに掲げる場合 1,000分の3.75 ロ 上記⑴①ロに掲げる場合 1,000分の4.5 ⑶ 株式会社が、平成18年 4 月 1 日から平成27年

3 月31日までの間に新設分割又は吸収分割を行 った場合において、上記⑵①②に掲げる仮登記 がされている不動産について、その仮登記に基 づきその所有権、地上権、永小作権、賃借権又 は採石権の移転の登記を受けるときは、その登 記に係る登録免許税の税率は、新設分割又は吸 収分割を行った日から 3 年以内に登記を受ける ものに限り、その不動産についてのその登記の 上記⑴①②に定める割合から次に掲げる登記の 区分に応じ、それぞれに定める割合を控除した 割合とされていました(旧措法81③)。 ① 新設分割又は吸収分割による不動産の所有

権の移転の登記 イ又はロに掲げる場合の区

分に応じイ又はロに定める割合

イ 上記⑴①イに掲げる場合 1,000分の7.5 ロ 上記⑴①ロに掲げる場合 1,000分の 9 ② 新設分割又は吸収分割による不動産の地上

権、永小作権、賃借権又は採石権の移転の登 記 イ又はロに掲げる場合の区分に応じイ又 はロに定める割合

イ 上記⑴①イに掲げる場合 1,000分の3.75 ロ 上記⑴①ロに掲げる場合 1,000分の4.5 ⑷ 株式会社が、平成19年 4 月 1 日から平成27年

3 月31日までの間に、新設分割又は吸収分割を 行った場合には、合併した場合と同様に、登録 免許税法第 7 条第 2 項(信託財産の登記等の課 税の特例)の規定を適用することとされていま した(旧措法81④)。

2  経過措置

 この特例は、適用期限の到来をもって廃止され ましたが、次のとおり経過措置が設けられていま す。

⑴ 株式会社が、平成27年 4 月 1 日前に新設分割 又は吸収分割により不動産に関する権利を取得 した場合におけるその不動産に関する上記1⑴ ①②に掲げる事項についての登記に係る登録免 許税については、従前どおりとされています (改正法附則98①)。

⑵ 株式会社が、平成27年 4 月 1 日前に新設分割 又は吸収分割を行った場合における上記1⑵① ②に掲げる仮登記又はその仮登記に基づき受け る不動産の所有権、地上権、永小作権、賃借権 若しくは採石権の移転の登記に係る登録免許税 については、従前どおりとされています(改正 法附則98②)。

(9)

七 独立行政法人日本貿易保険の特殊会社化に伴う特例措置

1  背景

 「独立行政法人等に関する基本的な方針」(平成 25年12月24日閣議決定)において、貿易再保険特 別会計を平成28年度末までに廃止し、同特別会計 を独立行政法人日本貿易保険(NEXI)に移管す ること、NEXIを政府全額出資の特殊会社に移行 することが決定されました。

 また、「各独立行政法人の統廃合等に係る措置 の実施時期について」(平成26年 8 月29日行政改 革推進本部決定)においては、NEXIは、平成29 年 4 月までに特殊会社化することが決定されまし た。

 これらを受け、経済産業省は、これらの内容を 含む「貿易保険法及び特別会計に関する法律の一 部を改正する法律案」を今国会(第189回通常国 会)に提出したところです(平成27年 6 月26日現 在、国会において審議中)。

2  措置の内容

 NEXIは、登録免許税法別表第 2 に掲げる独立 行政法人に該当し、登録免許税が課されない法人 でした。今般の貿易保険法の改正により、NEXI は、特殊会社化され、登録免許税の非課税法人に は該当しないこととなります。

 ところで、こうした独立行政法人の特殊会社化 や複数の独立行政法人の再編といった制度改正は、

過去においても他の独立行政法人について行われ てきたところですが、このような制度改正に伴う 登記(会社の設立登記又は旧法人から新法人への 権利の移転登記など)に係る登録免許税について は、従来から課税しないという取扱いをしてきた ところです。そこで、NEXIが特殊会社となる際 に必要となる会社の設立登記及びNEXIが新会社 へ出資した財産に係る登録についても、過去の例 に倣い、登録免許税は課さないこととされました (貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を

改正する法律附則21)。

 また、改正後の貿易保険法の下では、政府は必 要があると認めるときは、新会社に出資できるこ ととされていますが、「予算で定める金額の範囲 内において」と規定されており、国会においてそ の出資理由も明確にされることが前提です。した がって、制度の趣旨に反するような出資が行われ ることも考えられないことから、この出資に伴う 増資の登記に係る登録免許税についても非課税と されました(貿易保険法38)。

3  適用関係

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